基礎医学
異常血色素
柴田 進
1
1山口大臨床病理
pp.1873-1877
発行日 1965年12月10日
Published Date 1965/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201114
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1960年,異常血色素の猟人と呼ばれ,ケンブリッジ大学の臨床生化学者として有名なDr.Hermann Lehmannがわが国を訪れ,京都で"皆様,一方でその対象を分子ないし原子のレベルで論じ得る域に到達し,他方でその成果が民族遺伝学および人類学にまで肉迫している点で,今や異常血色素症の研究は他に類例を見ないようになりました"と演説したことがある。私は1965年の今日わが国で行なわれた異常血色素の研究の進歩のあとを回顧して,この解説を書きながら,今更のようにLehmannの言葉が正しかつたことを思い知らされている有様である。
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