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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅵ.発達障害,心身症,精神疾患
18.抑うつ障害,双極性障害
Depressive disorder and Bipolar disorder
小平 雅基
1
KODAIRA Masaki
1
1総合母子保健センター愛育クリニック
pp.780-785
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000651
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1 基本病因,発症機序
基本的な病因に関しては,物質・医薬品やほかの医学的疾患など誘因がはっきりしているものについては「物質・医薬品誘発性抑うつ障害/双極性障害」,「ほかの医学的疾患による抑うつ障害/双極性障害」と区分けされている診断カテゴリーもあるが1),大半は明らかな誘因はとくに認めていない。発症に関するさまざまな因子が議論されてきているが,現時点では抑うつ障害あるいは双極性障害に固有の病因論や発症機序として結論づいているものは存在しておらず,十分には解明されていない状況といえる。小児期の逆境的体験とセロトニントランスポーター(5-HTT)遺伝子の特定の型が併存するとうつ病の発症に強く影響されるといった大規模コホート研究2)が注目された時期もあったが,その後のメタ解析ではそのような関係性はないと結論付けられている3)。
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