連載 医師国家試験から語る精神・神経疾患・7
双極性障害を診わける
澤田 恭助
1
1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
キーワード:
双極性障害
,
双極Ⅱ型障害
,
診断
,
鑑別診断
,
併存症
Keyword:
双極性障害
,
双極Ⅱ型障害
,
診断
,
鑑別診断
,
併存症
pp.889-892
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202437
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43歳の男性。自営業。すぐに機嫌を損ねて怒鳴るようになったため,妻と母親に説得されて来院した。3か月前に父親が急逝してからしばらくの間,元気がなく,家族と話さなくなった。1か月前から店で必要以上にたくさん仕入れをするようになり,従業員に対して大声で怒鳴りつけるようになった。商品陳列の場所を何度も変え,始終移動させているようになった。元来ほとんど飲酒をしなかったが,毎晩飲酒をするようになったという。多弁で,感情の動きが激しく表出され,話題が際限なく広がる。本人は受診について不満であり,精神的なストレスで悲観的な考えに陥っている家族の方に治療を受けさせたいと述べている。これまでに発達上の問題はなかった。血液検査,頭部MRI及び脳波検査に異常を認めない。
この患者にみられる症状はどれか。2つ選べ。
a 感覚失語
b 観念奔逸
c 行為心迫
d 連合弛緩
e 小動物幻視
(第114回C57)
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