特集 入門! アタッチメントと小児期逆境体験を知る
アタッチメント障害・小児期逆境体験・トラウマ関連障害への対応~少しだけアドバンス
性被害を受けた子どもへの支援
小平 雅基
1
,
成田 知榮子
2
KODAIRA Masaki
1
,
NARITA Chieko
2
1総合母子保健センター愛育クリニック小児精神保健科
2港区児童相談所児童相談課
pp.935-938
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002483
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はじめに
子どもへの性暴力は発達途上の心身に長期にわたる深刻な影響を及ぼすため,世界的に重大な公衆衛生問題といえる。性暴力とは,世界保健機関(WHO)の“世界の暴力と健康レポート(World report on violence and health)1)”によれば「強制的にあらゆる性的言動を行うものであり,被害者とどのような関係においても,また家庭や職場を含むあらゆる状況においても起こる。そして強制とはあらゆる程度の力が含まれる」と説明されており,内閣府の定義では「相手が望まない一方的な性的言動は性暴力である」となっている。そのような課題への認識の変容を経て,わが国でも2017年,2023年に刑法の改正が進められてきている。しかしそれでもなお,被害の潜在化と支援体制の不足は依然として大きな課題である。

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