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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅵ.発達障害,心身症,精神疾患
17.統合失調症
Schizophrenia
山岸 正典
1
YAMAGISHI Masanori
1
1公立学校共済組合関東中央病院精神科
pp.774-779
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000650
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1 基本病因,発症機序
統合失調症の生涯有病率は約0.3~0.7%と推定され1),比較的よくみられる精神疾患である。発症のピークは男性で10~25歳,女性で25~35歳とされ,有病率に性差はない2)。小児期に発症する頻度に関しては統合失調症の1%未満が10歳未満,4%が15歳未満で発症したとの報告がある3)。児童青年期発症の統合失調症(early-onset schizophrenia:EOS)は成人期発症の統合失調症と連続性があることが明らかとなっており,診断には成人と同じ診断基準が用いられる1, 4)。統合失調症の診断概念自体にも大きな変遷があり,近年の知見は1980年に米国精神医学会により発表された精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and statistical manual of mental disorders:DSM)第3版(DSM-Ⅲ)以降の精神症状に基づく診断基準による研究から得られたものである。基本病因は発症機序と密接にかかわることから,ここでは発症機序に関して紹介する。
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