Japanese
English
特集 医療現場での怒り—どのように評価しどのように対応するべきか
双極性障害の怒りに対応する
Anger Management of Patients with Bipolar Disorder
寺尾 岳
1
Takeshi Terao
1
1大分大学医学部精神神経医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Oita University Faculty of Medicine, Oita, Japan
キーワード:
Anger
,
Impulsivity
,
Aggression
,
Bipolar disorder
,
Lithium
Keyword:
Anger
,
Impulsivity
,
Aggression
,
Bipolar disorder
,
Lithium
pp.1259-1266
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205932
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
抄録 双極性障害患者の怒りは,気分エピソードと関連して生じる可能性はもちろん,関連しない場合もある。後者は循環気質の患者に生じやすく,特に感情と関連する衝動性とリンクする可能性が高い。実際の臨床場面においては,まずは患者をよく観察し,怒りの訴えをよく聞いて,しっかりと患者の怒りをこちらが受け止めることが大切である。その上で,気分エピソードに伴う怒りなのか,感情と関連する衝動性に伴う怒りなのかを考えつつ,前者であればリチウムをはじめとする気分安定薬の調整,後者であればアセナピン舌下錠やリスペリドン水液など即効性の抗精神病薬投与が期待できる。いずれにせよ,患者それぞれの怒りの程度も頻度も異なり,薬物に対する反応性も同じではないので,個別的な対応が重要であることは言うまでもない。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.