特集 小児科医が知っておくべき性の知識
各論
性同一性障害/性別不合 小児期の性別不合の診断とメンタルサポート
針間 克己
1
HARIMA Katsuki
1
1はりまメンタルクリニック
pp.1711-1714
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000423
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ICD-11における小児期の性別不合とは
国際疾病分類(ICD)-111)においては,ICD-10における「小児期の性同一性障害」から,「小児期の性別不合(gender incongruence of childhood)」と置き換わった。また分類される章も「F 精神および行動の障害」から外れ,新設された「第17章 性の健康に関連する状態群」へと移された。このことは,小児期の性別不合は,精神疾患とはみなされなくなったことを意味する。また,第17章は,「障害」,「疾患」という用語ではなく,「状態群(conditions)」という価値中立的な用語を用いており,精神疾患以外のなんらかの別の疾患としてみなすことに対しても慎重であることを意味している。なお,ICD-11は,2022年より実効となったが,わが国においては,厚生労働省からの正式な日本語訳の発表はなされておらず,本稿における日本語の用語は「日本精神神経学会性別不合に関する委員会」で検討している訳語や筆者による試訳に基づく2,3)。「gender」は「性別」と訳す場合もあるが,「sex」との違いを明確にする場合は「ジェンダー」と訳し,「sex」を「性別」と訳す。
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