Japanese
English
特集 ICD-11のチェックポイント
性別不合
Gender Incongruence
松永 千秋
1
Chiaki Matsunaga
1
1ちあきクリニック
1Chiaki Clinic, Tokyo Japan
キーワード:
Gender identity disorder
,
Gender dysphoria
,
ICD-11
,
DSM-5
,
Gender binary
Keyword:
Gender identity disorder
,
Gender dysphoria
,
ICD-11
,
DSM-5
,
Gender binary
pp.311-317
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205798
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抄録 ICD-11ではICD-10の「性同一性障害」が以下の3つの点で変更された。一つは,性同一性障害(gender identity disorder)から性別不合(gender incongruence)への名称の変更である。「障害」を含まない名称にすることで,当事者に対するスティグマを軽減する目的がある。二つ目は,性別二元論に基づく定義から性の多様性を認める定義への変更である。これによって多様化する当事者のニーズに対応できるものとなった。三つめは分類される場所の変更である。「精神および行動の障害」から,新設された「性の健康に関連する状態」に移動し,分類上,性別不合は精神疾患ではなくなった。これらの変更によって,スティグマのさらなる軽減と,多様な性の在り方をする人々の医療サービスへのアクセスが容易になることが期待されている。これはDSM-ⅣからDSM-5への改訂においても意図されていたことであり,ICD-11によってさらに推進されることになるだろう。欧州における予備調査により,上記の変更点は当事者などにおおむね肯定的に受容されていることが分かっている。
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