特集 フローチャートでわかる 婦人科外来診療パーフェクトブック
Ⅴ 女性医学
59.性同一性障害,性別不合
中塚 幹也
1
M. Nakatsuka
1
1岡山大学学術研究院保健学域(教授)
pp.1493-1499
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000003196
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
性の要素は多岐にわたる1)~3)。身体の性は,性染色体,性器の解剖,性ステロイドホルモンレベルなどから決定される。また,性の自己認識(性自認)〔gender identity:性同一性とも訳され,物心ついた頃から表れる「自分は男(または女)」「自分は男でも女でもない(ある)」という認識,心の性,実感する性〕,性的指向(sexual orientation:性愛,あるいは恋愛や性交の対象となる性別,好きになる性)などの要素もある。さらに,社会に割り当てられた性〔assigned gender(sex),戸籍や保険証の性別など〕,性役割(gender role,男性として,女性として果たしている役割),性別表現(gender expression,服装や髪形などの表現)などがある。いずれの性の要素も「男性」「女性」に二分されるものではなく,グラデーションがある3)。
Copyright © 2024, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.