特集 気管支喘息のガイドラインを実臨床に生かす―こんなときどうする?
総論
診断―初期症状から診断にいたるまでの流れ
山出 史也
1,2
YAMAIDE Fumiya
1,2
1千葉大学医学部附属病院小児科
2国際医療福祉大学成田病院小児科
pp.708-713
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000154
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はじめに
気管支喘息は,気道の慢性炎症を特徴とし,発作性に起こる気道狭窄によって,咳嗽,呼気性喘鳴,呼吸困難をくり返す疾患であり,時に致死的となる。基本病態は,慢性の気道炎症と気道過敏性の亢進であるが,小児においても気道の線維化,平滑筋肥厚など不可逆的な構造変化(リモデリング)が関与することもある。そのため,小児の喘息のよりよい予後を確立するためには,発症早期からの適切な診断に基づいた治療・管理(早期介入)が重要と考えられる。一方,類似症状を示す気道系,心血管系の疾患は多く,気管支喘息を診断するには,気道症状を認める児を診察する際に,鑑別疾患も念頭に気管支喘息を疑うことが重要である。本稿では,小児気管支喘息治療・管理ガイドライン20201)をもとに,初期症状から診断にいたるまでの流れを解説する。
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