脂質異常症 基本を踏まえた実践
正確な診断へいたるための道筋 脂質異常症を見逃さないためには
野原 淳
1
,
馬渕 宏
1金沢大学 大学院医学系研究科脂質研究講座
キーワード:
HDL Cholesterol
,
LDL Cholesterol
,
Triglycerides
,
黄色腫症
,
冠動脈疾患
,
危険因子
,
脂質異常症
,
鑑別診断
,
病歴聴取
,
診断サービス
,
角膜縁
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Diagnostic Services
,
Coronary Disease
,
Cholesterol, HDL
,
Cholesterol, LDL
,
Medical History Taking
,
Risk Factors
,
Triglycerides
,
Xanthomatosis
,
Limbus Corneae
,
Dyslipidemias
pp.27-34
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009072534
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脂質異常症では血清脂質の値だけではなく、患者背景の把握が重要である。主要冠危険因子はもちろんのこと、注意深い病歴・家族歴聴取や診察から、見逃されがちな遺伝性高脂血症や二次性高脂血症を鑑別しなければならない。また、医療機関の受診は生活習慣の問題点を改善する貴重な機会であることも忘れてはならない。家族性高コレステロール血症に代表される遺伝性高脂血症は決してまれな疾患ではなく、無治療の家族がいる可能性が高いこと、無症状の早期からの治療が大切であることも念頭に置く。冠動脈疾患高リスク患者であれば、脂質管理目標値を参考に積極的かつ十分に治療を行うべきである。
©Nankodo Co., Ltd., 2009