特集 いま知っておきたい 先天性代謝異常症などの新生児マススクリーニング
各論:現行の新生児マススクリーニング対象疾患
先天性副腎皮質過形成症
谷本 英里
1
,
鹿島田 健一
1
TANIMOTO Eri
1
,
KASHIMADA Kenichi
1
1国立成育医療研究センター内分泌・代謝科
pp.277-281
発行日 2026年3月10日
Published Date 2026/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002627
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はじめに
先天性副腎皮質過形成症(congenital adrenal hyperplasia:CAH)は,副腎皮質での糖質コルチコイド生合成の異常によるコルチゾール欠乏と副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)過剰産生により副腎腫大を伴う疾患群の総称である。常染色体潜性遺伝疾患で,罹患率は15,000〜20,000人に1人である1)。現在6病型〔21水酸化酵素欠損症(21-hydroxylase deficiency: 21OHD),先天性リポイド副腎過形成症,17α水酸化酵素欠損症,11β水酸化酵素欠損症(11OHD),3β水酸化ステロイド脱水素酵素欠損症,P450オキシドレダクターゼ欠損症(PORD)〕が知られており,その大多数(90%以上)を21OHDが占める2)。21OHDの新生児期における最大のリスクは,時に致死的となる急性副腎不全である。わが国においても,新生児マススクリーニング(newborn screening:NBS)導入前は乳児突然死の原因の一部を占めていたと考えられるが,1989年にスクリーニング対象疾患となって以降,早期発見と介入により予後が大きく改善した2)。一方で,早産児における偽陽性や,地域差のある二次スクリーニング体制など,周産期医療の現場での課題はなお残っている。

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