特集 ここまで来た! 新生児マススクリーニングと対象疾患の治療
以前からの対象疾患―再検査,精密検査,そして治療
先天性副腎過形成症
折本 竜太
1
,
鹿島田 健一
2
ORIMOTO Ryuta
1
,
KASHIMADA Kenichi
2
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科発生発達病態学(小児科)
2国立成育医療研究センター内分泌・代謝科
pp.1797-1802
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002165
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はじめに
先天性副腎過形成症(congenital adrenal hyperplasia:CAH)は,副腎皮質での糖質コルチコイド生合成に必要な酵素の先天的な欠損により,糖質コルチコイドの合成障害と副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の過剰分泌をきたす常染色体潜性遺伝疾患群の総称である。現在6病型(21水酸化酵素欠損症,先天性リポイド副腎過形成症,17α水酸化酵素欠損症,11β水酸化酵素欠損症,3βヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症,チトクロームP450オキシドレダクターゼ欠損症)が知られている。このうち21水酸化酵素欠損症(21-hydroxylase deficiency:21OHD)がCAH全体の90%以上1)を占め,新生児マススクリーニングの対象疾患となっている。
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