今月の臨床 外陰の診かた
先天異常
6.先天性副腎皮質過形成
久保田 俊郎
1
,
麻生 武志
1
Toshiro Kubota
1
,
Takeshi Aso
1
1東京医科歯科大学医学部産科婦人科
pp.702-704
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901326
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先天性副腎皮質過形成(congenital adrenal hy—perplasia)は,副腎皮質でのステロイド合成過程において必要な酵素が先天的に障害されているためにコルチゾール生合成が低下し,下垂体からACTH過剰分泌をきたす結果,酵素障害部位以前のステロイドなどが過剰に分泌される病態である1)。本症では胎生期初期におけるアンドロジェンの過剰または不足により,外性器が正常に分化せず,性分化異常や性成熟の異常をきたす場合が多いため,外陰の診かたがその診断に重要である。この疾患は男女を問わずみられるが,とくに婦人科臨床においては女性仮性半陰陽として遭遇することが多いことより,女性における先天性副腎皮質過形成を中心に述べたい。
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