今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈副腎〉
副腎皮質過形成
金田 智
1
1東京都済生会中央病院放射線科
pp.258
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100966
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病理学的には皮質の細胞が増加した状態を指し,被膜を欠く大小の結節を伴う結節性過形成とびまん性の過形成がある.臨床的には,下垂体や視床下部からの過剰分泌を呈するCushing病,肺癌などの異所性ACTH産生腫瘍によるCushing症候群,Conn症候群,コルチゾールの自律性過剰分泌を呈する結節性過形成,その他先天性のコルチゾール代謝異常に伴うものと,さまざまなものが含まれる.一方,非機能性で結節外の副腎皮質に過形成がない場合には,nodulesもしくはmultinodular adrenalsとして区別すべきとされる1)が,本邦では非機能性結節性過形成と診断されていることが多い.
真の過形成もmultinodular adrenalsも,画像上は両側性の副腎の腫大,すなわち形状は維持されたまま厚みが増した状態として描出されるか,あるいは単発もしくは多発腫瘤状病変として描出されることになる(図1).
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