特集 周産期における生命倫理を考える
出生前遺伝学的検査
コモントリソミー以外の疾患へのNIPTの応用における課題
佐村 修
1
SAMURA Osamu
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科講座
pp.42-46
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002559
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はじめに
母体血漿中cell-free DNA(cfDNA)を用いた非侵襲性遺伝学的検査(non-invasive prenatal genetic testing:NIPT)は13,18,21トリソミーを対象とする場合にその精度は非常に高く,世界中で広く臨床応用され,多くの検査が行われている。全染色体領域のコピー数変化までを対象とする母体血胎児全染色体領域ゲノム定量検査に関しては,一般集団妊婦に関する精度について諸外国から複数の報告がなされているが,適切な対象者,検査前後の遺伝カウンセリングを含めた支援体制については不明な点が多い1)。これらのNIPT技術の発展により,より多くの遺伝性疾患,すなわち性染色体異常,微小欠失症候群,さらには単一遺伝子疾患や全ゲノム解析への応用が試みられている。こうしたコモントリソミー以外の疾患へのNIPTの応用は,新たな可能性を開く一方で,多くの倫理的,法的,臨床的,社会的課題を伴っており,その慎重な検討が求められている。

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