コラム
12トリソミー
浅井 さとみ
1
1東海大学医学部臨床検査医学
pp.962
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906328
- 有料閲覧
- 文献概要
病態と意義
B細胞性慢性リンパ性白血病(B-cell chronic lymphocytic leukemia;B-CLL)の約50%に染色体異常が認められ,12トリソミーは,その約1/3に認められる(図).この染色体部位には癌遺伝子や抗アポトーシス因子が存在し,細胞周期への影響やアポトーシスへの誘導抑制が考えられている.12トリソミー症例の約40〜50%は,14q,13q,11qの部分的な付加や欠失の構造異常を合併し,12トリソミー単独症例と比較し予後不良である.ただし,他の白血病のようにclonal evolution(クローン性の細胞増殖進展)に伴う染色体異常の増加は少ない.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.