特集 周産期救急システム―初期対応と災害対策
母体救急発症時の対応 産科危機的出血の初期対応
菅 直子
1
,
牧野 真太郎
1
SUGA Naoko
1
,
MAKINO Shintaro
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科
pp.679-683
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002174
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はじめに
産科危機的出血による母体死亡数は,2010年から2019年にかけて漸減傾向を示していたが,2020年以降は増加傾向に転じた。その後,2023年には2019年の水準まで減少した(図1)1)。産科危機的出血は周産期医療に携わる医療従事者が遭遇する機会が多いため,この病態に関する知識,技術の習得は必須であり,迅速かつ適切に対応することが母体死亡の低減に寄与する。

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