特集 周産期救急システム―初期対応と災害対策
母体救急発症時の対応 肺血栓塞栓症
小林 隆夫
1
KOBAYASHI Takao
1
1浜松医療センター名誉院長
pp.693-697
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002177
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はじめに
肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)は,静脈系で形成された塞栓子(血栓,脂肪,腫瘍,空気,羊水中の胎児成分など)が血流に乗って肺動脈を閉塞し,急性および慢性の肺循環障害を招く病態であるが,その多くは深部静脈血栓症(deep vein thrombosis:DVT)からの血栓遊離によるため肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism:PTE)を指す場合が多い。これらは合併することが多いので,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism:VTE)と総称される。

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