特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅰ.超音波診断 C.その他の部位
消化管通過障害
柏木 項介
1
,
神保 圭佑
1
,
東海林 宏道
1
KASHIWAGI Kosuke
1
,
JIMBO Keisuke
1
,
SHOJI Hiromichi
1
1順天堂大学小児科
キーワード:
肥厚性幽門狭窄症
,
腸回転異常症
,
中腸軸捻転
,
小腸閉鎖
,
鼠径ヘルニア
Keyword:
肥厚性幽門狭窄症
,
腸回転異常症
,
中腸軸捻転
,
小腸閉鎖
,
鼠径ヘルニア
pp.366-369
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001878
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はじめに
腹部超音波検査(abdominal ultrasonography:AUS)は非侵襲的で無被曝な画像検査である。AUSは消化管蠕動の動的かつリアルタイムな情報が得られる点において,他の画像検査と一線を画し,新生児期の消化管通過障害を診断する際にきわめて有用な診断ツールとなる。AUSによる評価は,コンベックスプローベ(主に低周波)で消化管を含む腹腔内の全体像を観察後に,リニアプローベ(主に高周波)で消化管壁の層構造や壁の厚さ,また腸管蠕動の観察を行うことが一般的な流れである。しかし,新生児は皮下脂肪がほとんどなく,小さな腹腔内に臓器が密集していることから,本来,表在評価に有用な高周波プローベが,ほぼ全身に使用できるため,極めて鮮明な画像が得られるのが特徴である。本稿では,特に新生児期の消化管通過障害の原因となる疾患について述べる。
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