特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅰ.超音波診断 C.その他の部位
肺エコーの基本
星野 雄介
1
HOSHINO Yusuke
1
1茨城県立こども病院新生児科
キーワード:
肺エコースコア
,
Aライン
,
Bライン
,
consolidation
,
white lung
Keyword:
肺エコースコア
,
Aライン
,
Bライン
,
consolidation
,
white lung
pp.361-365
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001877
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はじめに
超音波ビームはインピーダンス差が大きい境界面で反射する性質がある。血液・脂肪・実質臓器の音響インピーダンスは1.3~1.7×105Ns/m3,骨は7.4×105Ns/m3だが,空気は0.0004×105Ns/m3と10,000倍ほどの差がある。超音波ビームは空気との境界面で反射するため,肺をエコーで観察することは困難であると考えられていた。肺エコーの歴史には諸説あるが,現在広く用いられている「Aライン」「Bライン」「white lung」といったアーチファクトの解析に基づく肺エコーは1990年代より成人領域から始まった。そして2011年にNew England Journal of Medicine誌に掲載されたPoint of care ultrasoundの総説1)で紹介されたことで注目が集まり,その後は特に集中治療領域で活用されるようになった比較的新しい技術である。2023年に同誌に掲載された肺エコーの総説2)ではweb上で解説動画が公開されているのでぜひ参考にしていただきたい。
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