特集 DOHaDと周産期医療
DOHaDと周産期医療:母体合併症・管理とDOHaD
妊娠中の運動とエピジェネティクス
楠山 譲二
1
KUSUYAMA Joji
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科・生体情報継承学分野
pp.1533-1538
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001789
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
DOHaD仮説と運動医学
Developmental origins of health and disease(DOHaD)仮説とは,胎児期〜幼児期の環境が成人期の慢性疾患リスクに影響を与えるとする概念であり,代謝性疾患,悪性腫瘍,精神疾患などへの関与が報告されている。疫学・動物モデルを用いた研究によって,肥満や2型糖尿病はDOHaDとの強い関連がわかっている典型的疾患であり,出生前および出生後早期の発育過程における代謝の変化によって,その発症が大きく影響されることが明らかとなっている1)。ライフイベントの多様化によって出産可能年齢が広がるとともに,世界的に該当年代の女性における肥満が増加していることから,親から子への代謝性疾患の発症リスク伝達に関する理解とその低減法の策定は大きな課題である(図1)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.