特集 DOHaD
DOHaDとエピジェネティクス
望月 和樹
1
1山梨大学大学院総合研究部生命環境学域地域食物科学科准教授
pp.31-36
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.04_0031-0036
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「Summary」Developmental origins of health and disease(DOHaD)仮説(成人病胎児期起源説)は「胎児期の環境次第で胎児の体内に糖尿病や精神疾患などの成人病の源が形成される」という考え方である。その生物学的メカニズムとして,環境の影響を体内の細胞に記憶させるエピジェネティクスと呼ばれる遺伝学的メカニズムが想定されはじめた。本稿では,エピジェネティクスについて解説したうえで,DOHaD仮説とエピジェネティクスとの関連について,新しいエピジェネティックな遺伝子制御モデルを中心に概説する。「はじめに」Developmental origins of health and disease(DOHaD)仮説(成人病胎児期起源説)とは「胎児期の劣悪環境が胎児の体質を変化させ,胎児に2型糖尿病などの代謝性疾患やうつ病などの精神疾患の発症リスクを増大させる」という考え方である。「Key words」DOHaD,エピジェネティクス,DNAメチル化修飾,ヒストン修飾
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