特集 妊娠高血圧症候群2024
臨床編:母児の予後
母体の長期予後/ポストコンセプションケア
大石 舞香
1
,
田中 幹二
2
,
伊東 麻美
3
OISHI Maika
1
,
TANAKA Kanji
2
,
ITO Asami
3
1弘前大学医学部附属病院産婦人科
2国立病院機構弘前総合医療センター産婦人科
3弘前大学医学部附属病院周産母子センター
pp.1423-1425
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001763
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妊娠高血圧症候群の長期予後,フォローアップ
妊娠高血圧症候群(hypertensive disorders of pregnancy:HDP)既往女性,特に妊娠高血圧腎症(preeclampsia:PE)および妊娠高血圧(gestational hypertension:GH)を発症した女性は,将来的に高血圧,脳血管障害,虚血性心疾患,糖尿病,脂質異常症,慢性腎臓病などを発症しやすいことが国内外複数の疫学研究で指摘されており,リスクとして確立されている1〜7)。また,近年PE発症後に認知症の発症リスクが高くなることや,不整脈などの心疾患の増加も報告されている7,8)。これらの機序の詳細は明らかではないが,HDPを発症する女性は潜在的に脳心血管疾患のリスク因子を有しており,妊娠という負荷がストレステストとして機能し,妊娠中の合併症としてHDPを発症し,将来のリスクが顕在化する可能性が考えられている9)。
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