特集 妊娠高血圧症候群2024
臨床編:予知・予防
プレコンセプションケア/インターコンセプションケア
三戸 麻子
1
MITO Asako
1
1国立成育医療研究センター周産期・母性診療診療センター母性内科/プレコンセプションケアセンター
pp.1372-1375
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001752
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プレコンセプションケアとインターコンセプションケア
Conceiveには授かるという意味があり,conceptionは受胎・妊娠を意味する。プレコンセプションケアは,直訳すると「妊娠前ケア」であるが,将来の妊娠・出産や家族計画のいかんに関わらず,すべての若い世代がbio-psycho-social healthとreproductive well-being1)を得ることを目的としている。その大前提のもとで,プレコンセプションケアはライフコースアプローチであり,プレコンセプションケアを適切に行うことは当事者の健康のみならず,次世代の健康改善も期待されるものである。太古の昔より,妊娠前の男女が健康であるほうが,生まれてくる児も健康であることは知られていた。しかし,妊娠前の男女の健康を改善させることで,生まれてくる児の健康改善を国家政策として推奨したのは2006年の米国が最初である2)。以後さまざまな国や機関がプレコンセプションケアを推奨し,わが国では2015年に国立成育医療研究センターにプレコンセプションケアセンターが立ち上げられた。同センターでは米国疾病予防管理センターが作成したチェックリストをもとに,日本に即した形にして提供している(表1)3)。チェックリストに挙がっている項目は,すべて妊娠・分娩転帰を改善させるエビデンスに基づいて作成されている。
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