特集 Late preterm・Early termを展望する
総論
Late preterm・Early term児の疫学―産科 週数別出生数の年次推移―わが国と世界の動向
伊東 麻美
1
,
田中 幹二
1
ITO Asami
1
,
TANAKA Kanji
1
1弘前大学医学部附属病院周産母子センター
pp.443-446
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000103
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わが国の動向
「母子保健の主なる統計」によると,わが国の出生数は2016年には100万を切り,年々減少傾向にある(図1)1)。2019年の総出生数865,239のうち妊娠37週未満の出生数は48,538で,早産率は5.6%であった。出生数が減少傾向にあるなか,早産率は1980年4.1%,2000年5.4%,2010年5.7%とやや増加傾向にあった。しかし,上述のように2019年は5.6%とここ数年ほぼ横ばい傾向になっている。これを週数別にみてみると,妊娠22~27週,妊娠28~31週での早産率は1980年からほとんど変化がない。一方,妊娠32~36週の早産率は1980年の3.6%から2019年の4.9%と増加傾向にあり,全体的な早産率の増加は妊娠32~36週における増加によることが明らかである(図2)。実際に2019年の妊娠32~36週での出生数は42,430であり,早産全体の87.4%を占めている。こうした妊娠32~36週における早産の増加は,合併症妊娠や前置胎盤など医原性の人工早産の増加を反映しているものと考えられる2)。
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