特集 数値からみる周産期医療 産科編
妊娠初期のホルモン値:流産との関連,胞状奇胎との関連
角田 陽平
1
,
桑原 慶充
1
TSUNODA Youhei
1
,
KUWABARA Yoshimitsu
1
1日本医科大学付属病院女性診療科・産科
pp.1167-1169
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001037
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はじめに
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chorionic gonadotropin:hCG)は絨毛の合胞体栄養膜細胞から産生されるホルモンであり,妊娠初期には,妊娠黄体を刺激し,プロゲステロンやエストラジオールの分泌を促進する。さらに,子宮内膜における血管新生の促進,樹状細胞の活性変化による免疫修飾,T細胞活性やサイトカイン産生の減少,制御性T細胞活性の促進,NK細胞の増殖を介して,妊娠維持に適した子宮内環境の構築に寄与している1)。本稿では,妊娠初期の流産と胞状奇胎における血清hCGの臨床的有用性とその背景について概説する。
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