特集 周産期の画像診断 第3版
母体・胎児編 Ⅰ.超音波診断 A.妊娠初期
流産,絨毛膜下血腫,胞状奇胎
仲村 将光
1
NAKAMURA Masamitsu
1
1藤田医科大学医学部産婦人科学講座
キーワード:
流産
,
絨毛膜下血腫
,
胞状奇胎
,
超音波診断
Keyword:
流産
,
絨毛膜下血腫
,
胞状奇胎
,
超音波診断
pp.52-56
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001815
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はじめに
妊娠初期の異常として,流産は全妊娠の約15%に発生し,その原因は胎児染色体異常が最多である。頻度不明だが,受精卵が着床後,胎盤が形成される過程で血管新生され一部が破綻すると絨毛膜下に血腫ができる。受精の異常として,核が消失した卵子に2つの精子が受精すると全胞状奇胎,有核の卵子に2つの精子が受精すると部分胞状奇胎が発生する。これらの異常は超音波画像が診断の根拠となることが多いが,画像所見のみでは診断することが難しい場合も経験する。本項では,妊娠初期に起きるこれらの異常の画像診断とそれを補助する所見,さらには診断後の管理について解説する。
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