特集 How to Follow-up―ハイリスク児フォローアップの必修知識2023
家族支援
多胎児と家族への支援
田村 正徳
1
TAMURA Masanori
1
1佐久大学ナースプラクティショナー育成コース
pp.505-508
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000850
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はじめに
多胎育児では養育者(日本では特に母親)の身体的・精神的な負担に加えて,経済的な負担が甚大なだけではなく,それまでの勤務や友人・隣人との付き合いも継続が難しくなり社会的孤立に陥ることもまれではない。少子高齢化が加速するなかで,複数の児を同時育児する多胎児家庭には社会的なサポートがより充実されるべきである。多胎児家庭には地域における親子保健・福祉の多くの課題(低出生体重児,母乳育児,育児困難,産後うつ,不妊治療等)が集約されているため,地域の医療機関は育児関連の行政やピアサポート組織と連携しながら,妊娠中から切れ目のない支援を行うことが求められる1)。臨床現場の医師・助産師・看護師はこうした多胎育児支援に関わることで,社会的視野や人脈が広がることも期待できる。
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