特集 妊産婦死亡の現状と削減に向けた対策
各論
産科危機的出血 産道裂傷・子宮破裂
田野 翔
1
,
小谷 友美
1
TANO Sho
1
,
KOTANI Tomomi
1
1名古屋大学医学部附属病院産婦人科
pp.361-363
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000816
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はじめに
産道裂傷・子宮破裂は,産科危機的出血による母体死亡をひき起こす可能性があり,迅速な原因検索と治療がきわめて重要である。2010~2021年にわが国で報告された母体死亡例517例のうち,産科危機的出血は2010年に30%であった頻度が,2020年までに約10%まで減少したが,2021年は20%に増加した1)。母体死亡に至った産科危機的出血の原因として大部分を占めるのは子宮型羊水塞栓症の44%であるが,子宮破裂は11%,産道裂傷は4%を占めており1),自施設での対応を想定しておくことが重要である。
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