特集 少産時代に対応する「働き方改革」と医療施設
一般分娩施設での対応
無痛分娩導入施設の実状と将来展望
亀井 良政
1
KAMEI Yoshimasa
1
1埼玉医科大学病院産婦人科
pp.206-208
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000783
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はじめに
女性の就業率の上昇と晩婚化に伴う分娩数の減少は歯止めがかからず,多くの分娩施設では分娩取り扱い数の減少による経営への影響が無視できなくなっている。このようななかで,各分娩取り扱い施設は,いわば「客(妊婦)集め」の目的で無痛分娩を看板に掲げ出しているように思われる。実際,硬膜外無痛分娩を導入している施設では,近隣の導入していない施設からの産婦の流入が止まらず,インターネット上での評判も併せて,施設間の分娩取り扱い数に大きな差が生じてきている。しかしながら一方では,十分な経験もない状態で,副作用への対応など十分な知識が欠如したまま性急に硬膜外無痛分娩の導入を開始する施設もみられるため,今後医療事故が発生することが危惧される。
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