特集 集団検診その問題点と実施例
結核における集団検診の実状
小島 武雄
1
1塩釜保健所
pp.10-13
発行日 1963年8月10日
Published Date 1963/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202892
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受検率をどう高めるか
結核患者を効率的に発見する方法として集団検診が行なわれるようになってから,日本全国における結核の発見率は非常に高くなっており結核対策上大きい役割を果たしているということができる.それは結核がもっている無自覚性という現象が自分から進んで健康診断をうけない限りなかなか発見されにくいので,集団検診という方法が使われているわけである.したがって集団検診の受検率が高ければ高いほど患者の発見率も高くなるのは当然であり,受検率を高めるにはどうしたらよいかの問題については,全国各地において,それぞれの立場から,いろいろ検討され,また実行されて今日におよんでいる.
集団検診は大きくわければ,市町村長の行なう一般の健康診断と,学校や事業所,工場などの行なう健康診断とに分けられると思う.市町村の行なう健康診断とはたとえば,主婦とか農業・商業・漁業などに従事する人々とかを対象とするものでいわば地区住民の健康診断のことである.昭和26年に核結予防法が制定されて以来,全国民は年1回必ず受けるように義務づけられており,これが定期の健康診断と名づけられているものである.その他に定期外の健康診断として患者家族や業態者を対象としたものがある.また6歳未満の者に対しては,別に予防接種法があって健康診断を行なうようになっている.
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