特集 これからの保健所と保健婦
Ⅱ保健所に望む
学校保健の立場から
学校保健の実状を理解して
坂本 玄子
1
1東京都池ノ上小学校
pp.64-66
発行日 1968年3月10日
Published Date 1968/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204149
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
保健所にのぞむ声を書くよう注文を受け,気やすく,そしていささか積極的な気持ちで引受け原稿用紙を前にしたのに,どうしたことかペンは動いてくれない。そこで頬づえをついて,何故?何を書きたかったのか改めて考えてみた。
専門学校を出てから,工場保健婦,医療機関保健婦,学校保健婦と,私は長い保健婦としての職業生活をすごしてきた。その仕事の歴史の中で私には「保健婦であること」が滲みこんでいる。そして保健婦であれば,保健所に対して持つ意識は,批判であれ親しみであれ,赤の他人の気持ではいられない。そこには,「保健所よ,地区住民のための素晴らしい砦であってくれ,日本国民の公衆衛生の発展を支えるセンターに育ってくれ」とオーバーながら,「身内ち」の願望が働くのである。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.