特集 知っておくべき周産期・新生児領域の遺伝学的検査を展望する
各論
代謝疾患 ライソゾーム病
小林 正久
1
KOBAYASHI Masahisa
1
1東京慈恵会医科大学小児科学講座
pp.717-720
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000167
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ライソゾーム病とは
ライソゾームとは細胞内小器官の一つで,タンパク質,脂質,多糖類などの分解を行っている。ライソゾーム病は,ライソゾーム内の酵素や輸送タンパクの機能障害により,本来分解されるべき高分子物質が分解されず,体内に蓄積することで発症する先天代謝異常症の総称であり,50種類あまりのライソゾーム病が知られている。有機酸代謝異常症,脂肪酸代謝異常症では,意識障害,重篤な代謝性アシドーシスなどの共通した症状が認められるが,ライソゾーム病の障害臓器は蓄積する物質により異なり,各疾患で症状は異なる。ライソゾーム病の障害臓器,身体所見を表1,2にまとめた。
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