特集 日常診療で先天代謝異常症を見逃さないために
9.ライソゾーム病
-―臨床的多様性と日常診療における診断へのアプローチ
高橋 勉
1
1秋田大学大学院医学系研究科小児科学講座
キーワード:
ライソゾーム病
,
早期診断
,
スクリーニング検査
,
確定診断
Keyword:
ライソゾーム病
,
早期診断
,
スクリーニング検査
,
確定診断
pp.1415-1421
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001481
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ライソゾーム病は個々の疾患の頻度は低いが全体とすれば症例数は多く,小児科医が日常診療で遭遇する機会もある.近年,ライソゾーム病の治療法や診断スクリーニング検査が登場して早期診断が重要となっている.同一疾患でも古典型(重症型)から非古典型(軽症型)まで臨床症状は広く,臨床的多様性を理解して診断を進めることが重要である.個々の疾患には特徴的な症状や所見があり,そこから同症を疑った場合は診断スクリーニング検査や専門施設コンサルトへ躊躇なく進めることが大切である.原因不明の神経疾患群に対してライソゾームスクリーニングを適応して確定診断に至った報告もあり,鑑別診断の対象としてライソゾーム病は重要である.
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