特集 伝音難聴の最新の診断と治療
【伝音難聴診断のための基礎知識】
伝音機構の解剖学的構造と音響学的機能
平林 源希
1
,
山本 裕
1
Motoki Hirabayashi
1
,
Yutaka Yamamoto
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
伝音難聴
,
中耳伝音系
,
鼓膜振動特性
,
耳小骨連鎖
Keyword:
伝音難聴
,
中耳伝音系
,
鼓膜振動特性
,
耳小骨連鎖
pp.5-7
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001422
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はじめに
伝音機構は主に外耳,中耳から構成され,音響を効率的に伝えるインピーダンス整合機構として機能している。さらに,内耳窓や内耳内も空気の振動をメカニカルに修飾を加える要素が存在する。陸生脊椎動物の伝音機構の獲得は,水中から陸上への生態的移行に伴う進化的適応の結果である。この系統は,特に哺乳類において高度に発達しており,各構成要素が進化の過程で巧妙に連携するようになった。
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