特集 悪性か? 良性か? 開業医のためのがんの見つけ方
症状・所見からのアプローチ
頰部腫脹・上顎洞一側性陰影―がん,真菌症,歯性上顎洞炎,血瘤腫などの鑑別
森 恵莉
1
,
宮村 洸輔
2
Eri Mori
1
,
Kosuke Miyamura
2
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
2医療法人愛仁会太田総合病院耳鼻咽喉科/気管食道科
キーワード:
頰部腫脹
,
上顎洞一側性陰影
,
神経症状
,
眼症状
,
出血
Keyword:
頰部腫脹
,
上顎洞一側性陰影
,
神経症状
,
眼症状
,
出血
pp.854-862
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000217
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はじめに
鼻副鼻腔疾患は多岐に亘り,耳鼻咽喉科医が遭遇する機会の多い疾患の1つである。治療選択には,まずは病態の把握から始まる。悪性疾患は,患者の予後を左右するため,迅速に診断して治療に結びつけられることが理想的である。適確な診断と治療決定がなされなければ,不必要に抗菌薬やステロイド薬の投与,さらには不適切な手術が行われてしまいかねない。本稿では,さまざまな片側性副鼻腔疾患の症例を提示した。病態のバリエーションに富んでいるのが片側性副鼻腔炎の特徴であり,病態鑑別のヒントとなる典型的な症状や所見に乏しいため,早期発見のためには,画像検査や組織学的検査を躊躇しないことが,重要である。
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