特集 副鼻腔炎診療は変わったか?
最新の疾患別マネジメント
歯性上顎洞炎
横井 秀格
1
,
池田 哲也
2
Hidenori Yokoi
1
,
Tetsuya Ikeda
2
1杏林大学医学部耳鼻咽喉科頭頸科
2杏林大学医学部顎口腔外科
キーワード:
副鼻腔炎
,
歯性上顎洞炎
Keyword:
副鼻腔炎
,
歯性上顎洞炎
pp.173-177
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000465
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はじめに
歯性上顎洞炎は,上顎洞と隣接する上顎歯根尖部の感染,または歯科治療による医原性の損傷に続発する二次性の副鼻腔炎である。海外からのさまざまな文献により歯性上顎洞炎は,odontogenic maxillary sinusitisと英文では呼称されることが主で(本邦では歯原性上顎洞炎と意訳されることも多い),複数の歯原性の病因によって惹起される粘膜の炎症および症状のさまざまな段階を示すこともあると述べられている。すなわち歯周病,歯内疾患,歯根破折,歯科インプラント,抜歯,内外歯瘻,および上顎洞内へ迷入してしまった歯科材料(異物)などの医原性の原因を含む複数の病因によって引き起こされるものを含む1)。これらはすべて副鼻腔炎の歯原性の原因であるが,病因を歯内由来および歯周囲の感染由来の上顎洞炎と区別することは重要である。なぜなら,それぞれが著しく異なる治療を必要とするためである。
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