特集 鼻科診療の論点-異なる立場の対話とディベート-
【異なる診療科の立場から】
歯性上顎洞炎の対応―耳鼻咽喉科医の立場から―
森 恵莉
1
Eri Mori
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
歯性上顎洞炎
,
片側性副鼻腔炎
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
,
根尖周囲病巣
,
口腔上顎洞瘻
Keyword:
歯性上顎洞炎
,
片側性副鼻腔炎
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
,
根尖周囲病巣
,
口腔上顎洞瘻
pp.153-157
発行日 2025年2月1日
Published Date 2025/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001465
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
歯性上顎洞炎は,上顎歯のう歯や根尖病巣などの感染,あるいは抜歯やインプラントなどの歯科治療を契機に発症する疾患である。解剖学的に上顎洞が歯根部と近接しているため,上顎臼歯の炎症が上顎洞へ波及して発症する。治療の選択肢は,患者の自覚症状,原因,さらに原因歯の状態に依存するが,耳鼻咽喉科医としては,歯原性疾患であるか否かを発見し,必要に応じて歯科医と連携を図ることが重要である。また,患者の症状や希望にも配慮しながら治療を進めていくことが求められる。そのためにも,日頃から相談できる歯科医を持ち,密な連携体制を構築しておく必要がある。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.