特集 悪性か? 良性か? 開業医のためのがんの見つけ方
症状・所見からのアプローチ
鼻閉・鼻腔腫瘤性病変―がん,嗅神経芽細胞腫,ポリープなどの鑑別
上田 航毅
1
,
小林 正佳
1
Koki Ueda
1
,
Masayoshi Kobayashi
1
1三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
鼻副鼻腔腫瘍
,
生検
,
内視鏡
Keyword:
鼻副鼻腔腫瘍
,
生検
,
内視鏡
pp.849-853
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000216
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はじめに
鼻腔にはさまざまな種類の腫瘍が発生する。特に鼻腔の悪性腫瘍はすべてが希少がんなので,そのような患者を集約して診療している二次・三次医療機関の勤務医と比べて,各診療所では診療機会がかなり少ないので見慣れない上に,多くの患者を限られた時間と検査の条件下で診療している多忙な中で,悪性腫瘍を見落とさずに鑑別することが求められる。腫瘍の内視鏡所見はさまざまな所見を呈し,腫瘍表面の不整や壊死,易出血性などの所見があれば悪性を疑う必要がある。ただし,それだけでは確定診断には至らず,生検による病理診断が決め手になるが,このとき,後の治療のことを考えて,腫瘍播種や周囲組織との癒着を生じさせるという不適切な組織採取にならないように注意する必要がある。
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