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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第2章 慢性腎臓病・透析合併症
24.腎性貧血治療薬:HIF-PH阻害薬;ロキサデュスタット
Treatment for renal anemia, HIF(hypoxia-inducible factor)-PH(prolyl-hydroxylase)inhibitor, Roxadustat
倉賀野 隆裕
1
Kuragano Takahiro
1
1兵庫医科大学病院腎・透析内科
キーワード:
腎性貧血
,
HIF-PH阻害剤
,
ロキサデュスタット
Keyword:
腎性貧血
,
HIF-PH阻害剤
,
ロキサデュスタット
pp.251-255
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002142
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1 はじめに
わが国では現在,5種類の低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(hypoxia inducible factor prolyl hydroxylase:HIF-PH)阻害薬を使用することができる。そのなかでもロキサデュスタットは,2019年に経口腎性貧血治療薬として最も早く承認され,血液透析(hemodialysis:HD)患者での使用が可能となり,その後に保存期慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者や腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)患者へも適応が拡大された。その剤形は20 mg,50 mg,100 mgと3種類あり,患者の状態によって適宜増減して使用する。ロキサデュスタットの大きな特徴は,ほかのHIF-PH阻害薬がすべて連日投与であるのに対して,週3回投与であることにある。この特徴は,CKD患者における服薬錠数を低減させ,ポリファーマシーの予防に繋がる利点がある。一方で,飲み忘れや怠薬の原因となる可能性があるため,飲み方の工夫や患者への十分な説明および服薬状態の確認が必要となる。

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