特集 腎性貧血治療の課題と対策―HIF-PH阻害薬,ESA,鉄剤をめぐって
7.HIF-PH阻害薬による腎性貧血治療の実際
林 晃正
1
1大阪急性期・総合医療センター
キーワード:
HIF-PH阻害薬
,
TSAT
,
フェリチン
,
アポトランスフェリン
,
フェロトーシス
Keyword:
HIF-PH阻害薬
,
TSAT
,
フェリチン
,
アポトランスフェリン
,
フェロトーシス
pp.155-160
発行日 2022年2月10日
Published Date 2022/2/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002038
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HIF-PH(hypoxia inducible factor-prolyl hydroxylase)阻害薬の臨床試験では,従来のESAと同等あるいはそれ以上の貧血改善効果が示されている.したがってESA同様ヘモグロビンの上昇速度が1 g/2 week以上を超える場合があるので注意が必要である.なお,HIF-PH阻害薬を処方する際には,食事の影響,多価陽イオン含有薬剤やリン吸着性ポリマーによる吸収低下,他の薬剤との相互作用に注意する.HIF-PH阻害薬投与中はTSAT/フェリチンは月1回測定すべきであるが,HIF-PH阻害薬使用下における鉄補充の基準については現時点では不明である.当面は貯蔵鉄欠乏すなわちフェリチン<50 ng/mLの状態を避けるべく鉄補充を行うことが望ましい.
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