HIF-PH阻害薬の使用症例集―使ってみて実感したHIF-PH阻害薬の特徴
PD患者におけるHIF-PH阻害薬の治療効果
丸山 之雄
1
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
キーワード:
ロキサデュスタット
,
ダプロデュスタット
,
バダデュスタット
,
モリデュスタット
,
エナロデュスタット
,
赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent;ESA)
Keyword:
ロキサデュスタット
,
ダプロデュスタット
,
バダデュスタット
,
モリデュスタット
,
エナロデュスタット
,
赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent;ESA)
pp.1456-1462
発行日 2024年10月10日
Published Date 2024/10/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003190
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透析患者を含む慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)患者に対する貧血治療薬として,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent;ESA)と鉄補充療法に加えて,低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬(hypoxia-inducible factor prolyl hydroxylase inhibitor;HIF-PH阻害薬)が使われている.日本透析医学会の2022年末の統計調査によれば,全体のHIF-PH阻害薬使用率は5.2%とESA使用率の82.0%と比較してとても低い一方で,腹膜透析(peritoneal dialysis;PD)患者に限れば,HIF-PH阻害薬使用率は29.0%,ESA使用率は56.8%と,本薬剤の使用率がきわめて高くなっている.このように,PD患者において,HIF-PH阻害薬が広く使用されているものの,その使用経験は蓄積されておらず,治療効果についても十分に解明されているとはいえない.本稿では,現段階で得られているPDの領域での知見を薬剤別に解説し,さらに,ESAからロキサデュスタットに切り替えたPD症例を提示して,その適切な使用法について考えたい.
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