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特集 CKD-MBD ―進歩と革新
MBDと心血管病変
心不全(MBDとHFpEFについて)
Congestive heart failure(MBD and HFpEF)
濱野 高行
1
HAMANO Takayuki
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科腎臓内科
キーワード:
低Ca血症
,
活性型ビタミンD製剤
,
拡張能障害
,
FGF23
Keyword:
低Ca血症
,
活性型ビタミンD製剤
,
拡張能障害
,
FGF23
pp.612-616
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001874
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はじめに
現在,透析液Ca濃度の低下,カルシウム(Ca)含有リン吸着薬の忌避,骨代謝作動薬の積極的使用,カルシミメティクスの使用増加など,透析患者が低Ca血症になりやすい環境となっている。たとえば,透析患者に対するデノスマブの使用で,著明な低Ca血症をきたし1),入院や死亡が報告され,米国食品医薬品局(FDA)は注意喚起を行い,デノスマブの添付文書も改訂された。また,透析患者に対するデノスマブとビスホスホネート製剤を比較した研究では,骨折はデノスマブで有意に抑制されるものの,主要心血管イベント(MACE)が多いことが日本からも報告された2)。また,カルシミメティクスの使用で低Ca血症になり致死的不整脈をきたしたり3),血圧が下がったりすることなどもよく知られている。つまり低Ca血症が循環動態に影響を与えるのは確実である。

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