Japanese
English
特集 透析療法の課題,展望
各論
腹膜透析
腹膜機能評価法―PETの有用性と課題
Usefulness and issues of peritoneal equilibration test
小山 哲平
1
,
山田 将平
1
,
櫻田 勉
1
KOYAMA Teppei
1
,
YAMADA Shohei
1
,
SAKURADA Tsutomu
1
1聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科
キーワード:
腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)
,
腹膜機能評価法
,
腹膜平衡試験(peritoneal equilibration test:PET)
,
PSTR(peritoneal solute transfer rate)
Keyword:
腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)
,
腹膜機能評価法
,
腹膜平衡試験(peritoneal equilibration test:PET)
,
PSTR(peritoneal solute transfer rate)
pp.78-82
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001748
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はじめに
腹膜透析(peritoneal dialysis:PD)は,腹膜を介して体内の過剰な水分や老廃物の除去を行う治療である。腹膜の特性は一人一人異なるため,患者ごとに腹膜の特性を評価し,その結果に基づいて処方が行われてきた。また,生体適合性の低い透析液を用いたPDの経過中には腹膜の特性が変化するため,定期的に腹膜の特性を把握し,適切な中止時期を検討することが重要とされてきた。しかし,昨今の国際腹膜透析学会(International Society for Peritoneal Dialysis:ISPD)が示した質の高い目標指向型のPD処方の考え方では,腹膜の特性に基づく処方ではなく,患者とケアチームとの間で共同意思決定に基づいて処方されるべきであると述べられている1)。さらに,わが国で標準的に用いられている生体適合性の高い中性化透析液は,腹膜の特性に与える影響が少ないとの報告もあり2,3),腹膜の特性の評価についてその意義を再検討する必要があるのではないかと筆者らは考えている。
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