小児CKD患者の貧血管理

Management of anemia in pediatric CKD patients

はじめに

　小児の慢性腎臓病（chronic kidney disease：CKD）患者における貧血，いわゆる腎性貧血は，成人と同様に臨床的に最も重要な合併症の1つであり，CKDステージの早期の段階から合併する。North American Pediatric Renal Trials and Collaborative Studies（NAPRTCS）のデータでは，CKDステージ3の段階で73％，ステージ4で87％，ステージ5で93％以上の合併率と，CKDステージの進行とともに貧血の合併率が高くなるとされ^1），the Chronic Kidney Disease in Children（CkiD）コホートのデータでも，CKDステージ3に相当すると考えられる糸球体濾過量（GFR）43mL/min/1.73m²を下回ると，GFRの低下に比例しヘモグロビン（hemoglobin：Hb）が低下すると報告されている^2）。すなわち，小児においても，CKDステージの進行とともに腎性貧血の合併頻度は高まり，貧血も重症化すると考えられている。