Japanese
English
特集 腎不全合併症に関する最近の進歩
慢性腎不全―循環器系合併症 虚血性心疾患
Ischemic heart disease
三瀬 直文
1
,
矢作 和之
2
MISE Naobumi
1
,
YAHAGI Kazuyuki
2
1三井記念病院腎臓内科
2三井記念病院循環器内科
キーワード:
透析
,
安定冠動脈疾患
,
急性冠症候群
Keyword:
透析
,
安定冠動脈疾患
,
急性冠症候群
pp.553-557
発行日 2024年5月25日
Published Date 2024/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001300
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Ⅰ 定義
冠動脈の閉塞や狭窄により,心筋の血流障害(心筋虚血)が生じる病態が虚血性心疾患である。症状の進行速度から慢性虚血性心疾患(安定冠動脈疾患,慢性冠動脈疾患)と急性冠症候群に分けられる。急性冠症候群とは,冠動脈粥腫(プラーク)の破綻とそれに伴う血栓形成により冠動脈の高度狭窄または閉塞をきたして急性心筋虚血を呈する病態であり,不安定狭心症,急性心筋梗塞,虚血による心臓突然死を包括した概念である1)。2019年に発表された欧州心臓病学会(European Society of Cardiology:ESC)ガイドライン2)では,急性冠症候群と対照的な臨床的概念として慢性冠症候群という用語が導入されている。
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