特集 透析患者の残腎機能
5.残腎機能に関連する生体因子
長岡 由女
1
,
菅野 義彦
1
1東京医科大学腎臓内科学分野
キーワード:
体液量
,
血圧
,
炎症
,
貧血
,
残腎機能
Keyword:
体液量
,
血圧
,
炎症
,
貧血
,
残腎機能
pp.393-398
発行日 2019年4月10日
Published Date 2019/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000856
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血液透析において体液量が短時間に大きく変動することにより,残腎機能の低下速度は加速する可能性がある.腹膜透析において,血液透析より残腎機能が長く保持されるのは,このためと考えられる.管理不良の高血圧,血液透析中の急な低血圧は残腎機能低下速度を速める.慢性的な炎症反応陽性は,腎組織の荒廃を進行させ残腎機能低下が促進される.血清リン濃度は残腎機能が保たれている患者において管理良好であった.残腎機能が保たれている患者においてESA 投与量が少なくヘモグロビン濃度が高いという報告がある一方,残腎機能がESA投与量の決定因子ではなかったとの報告もある.
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