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特集 サイコネフロロジー:透析・移植
CKD医療の選択(患者,家族,医療者の心理も含めて)
透析の見合わせ,緩和ケア
Withholding and withdrawal dialysis and palliative care in elderly ESKD patients
小坂 志保
1
,
酒井 謙
2
KOSAKA Shiho
1
,
SAKAI Ken
2
1東邦大学看護学部
2東邦大学医学部腎臓病学講座
キーワード:
高齢腎不全患者(elderly patient with end stage kidney disease)
,
透析非導入(withhold dialysis)
,
透析終了(withdrawal dialysis)
,
保存的腎臓療法(conservative kidney management)
,
非がんの緩和ケア(palliative care for non-cancer patients)
Keyword:
高齢腎不全患者(elderly patient with end stage kidney disease)
,
透析非導入(withhold dialysis)
,
透析終了(withdrawal dialysis)
,
保存的腎臓療法(conservative kidney management)
,
非がんの緩和ケア(palliative care for non-cancer patients)
pp.362-367
発行日 2024年3月25日
Published Date 2024/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001243
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はじめに:非がんの緩和ケアと高齢者腎不全患者の特徴
世界保健機関(World Health Organization:WHO)の緩和ケアの定義1)は「生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族の生活の質(QOL)を,痛みや,その他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し,的確に評価を行い対応することで,苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである」とされている。わが国における緩和ケアはがん患者を対象に注目されてきた歴史があるが,がん患者のみを対象としているのではなく,非がんを含む全疾患患者を対象としているのが本来の定義である。そのため,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)が進行した末期腎不全(end stage of kidney disease:ESKD)も非がんの緩和ケア対象である(図1)1)。しかし,わが国では,がん患者および重症心不全患者に対する緩和ケアのみが保険診療対象となっている。
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