特集 2025年に向けた透析室のキュアとケア
4.透析見合わせの現状と課題
吉本 敬一
1,2
,
竹田 慎一
1
1黒部市民病院腎臓内科
2黒部市民病院医療安全管理室
キーワード:
透析見合わせ
,
終末期医療
,
事前指示(書)
Keyword:
透析見合わせ
,
終末期医療
,
事前指示(書)
pp.1417-1423
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000000706
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末期腎不全患者の終末期医療について考えるときに避けられない問題が,透析の見合わせである.患者の死と直結する重大な医療行為であり,患者側,医療側ともに重い決断となる.終末期医療においても患者の自己決定権が尊重されるが,患者の判断能力が失われていることも多い.事前指示(書)(advancedirectives;AD)が有効であるが,透析に関しては普及しているとは言い難い.透析患者が尊厳ある終末期を迎えるためには,意思決定能力低下に備えてadvance care planning(ACP)が重要である.必要に応じて,倫理委員会や他施設の協力も求められる.「2025 年問題」を控え,透析見合わせの提言の再評価や改訂,在宅看取りの推進に向けた制度の構築や地域連携が必要となるだろう.
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